平安の古きからガン封じで知られる無量寺

数あるパワースポットの中でも癌封じの寺として限定的なパワースポットは珍しいですね。通称『ガン封じ寺』として、昔から地域の人から愛され続けてきた無量寺(むりょうじ)についてご紹介します。

無量寺は、愛知県蒲郡市にある真言宗醍醐派の寺院です。創建は、平安時代になります。ガン予防の法話や祈祷などが行われています。ご祭神は、不動明王、ご利益はガン封じ、病気平癒、厄除となっています。

開山上人が全国行脚で当地を訪れ絶景を三ヶ根山中で荒修行をしておられる不思議なことに突然不動明王が眼前に現れ、この地に堂を建立したのがこの寺の始まりです。

御本尊西浦不動は秘仏であり、特に難病封じがご利益で、境内には全国から訪れた参拝者に寄るガン封じ絵馬がたくさん奉納されています。ガン封じ堂では、絵馬に描かれた人物像に、病を封じて欲しい個所を黒く塗って奉納します。

参道に沿って境内まで、その絵馬の多さに圧倒されます。これほどまでガン患いに苦しんでいることに驚きを隠せません。驚くことの多い無量寺ですが、まずこの参道を通るだけで驚かされます。

また名物住職によるユニークながん予防の法話を聞くこともできます。参拝し本堂に座ると、寺の由来とガン予防の法話を約10分間聞きます。ユーモアを交えた説法が大人気です。法話は毎日、随時無料で聞くことができます。

境内もユニークで、珍しいポイントがたくさんあります。本堂の手前には『西遊記』でお馴染みの玄奘三蔵法師ゆかりの中国の西安市にある大慈恩寺の『大雁塔(がんとう)』を三分の一に縮小復元した『日本大雁塔』という珍しい仏塔が鎮座しております。

要するにレプリカなのですが、それでも高さが20mもあり、なかなか見応えのある塔です。西安市の大慈恩寺とは、三蔵法師が天竺から持ち帰った経典の翻訳作業を行った寺で、その経典や仏像を収められたのが大雁塔なのです。しかし、なぜ大雁塔のレプリカがここにあるかは不明です。

本堂の奥に、中国の石窟寺院をモデルにしたといわれる「千仏洞巡り」があります。無量寺の境内にある千仏洞巡りでは、中国の敦煌、洛陽、蘭州の石窟寺院をモデルにしたもので、暗い通路の絵壁面に千体もの竜門石仏を配置し、洞窟の奥にはガンダーラの仏や大きな大日如来坐像や岩屋不動が安置してあります。

ちょっとした遊園地のアトラクションのような入口を見ると入ることをためらいたくなります。中は真っ暗、時折見えるランプやロウソクの明かりが、いっそうアトラクションっぽさを際立たせます。そして、線香の煙でずっと靄がかかったようにもなっています。

実際の中国の石窟寺院を知らないのですが、日本語の看板さえなければ、確かに日本とは異空間を彷徨っている感じにはなれます。10分もかからず踏破できますので、訪れた際にはお入りいただくといいと思います。

本堂裏手には、ミニ八十八カ所霊場巡りなるものあり、レンガ造りの小さな霊場が不規則に並んでいます。これもまたちょっとしたアトラクションっぽさが漂っています。

まだ、まだユニークなポイントはあります。無量寺の境内には、本堂の左手には宝物館、大黒恵比寿天堂があります。さらにその左には縁結び堂、身代わり不動の滝という人工の滝があります。

本堂右手にあるガン封じ堂には、またここにぎっしりの絵馬が掲げられています。本当にガンに苦しんでいる人の多さに驚かされます。

【無量寺】
場所:愛知県蒲郡市西浦町30
最寄駅
・名鉄線「西浦」駅徒歩10分