子宝、恋愛、夫婦円満に恵まれる田縣神社

神社の知名度はさほどないのですが、その祭事は、奇祭として世界的に有名な愛知県小牧市にある田縣(たがた)神社についてご紹介します。土着信仰に基づくかなり古い神社です。現在は田県神社とするのが一般的です。

こちらの神社の創建については、不明な点が多く、一説には弥生時代にまでさかのぼるといわれています。また、日本創世記から古墳時代にかけて、五穀豊穣、子孫繁栄を願って神々の真摯な祈りを捧げたと考えられています。

県内在住の方でも田縣神社と聞いてもピンとくる人は少ない、どちらかといえばマイナーな部類に入る神社なのですが、毎年三月に行われる『豊年祭』と聞くと、分かる方が多いのではないでしょうか。

このお祭りは、県内はもちろん、日本全国から取材が駆け付け、世界中のマスコミも取材に来るほど、話題の奇祭なのです。

子宝と農業の信仰を結び付けた神社で、ご祭神は御歳神(みとしのかみ)と玉姫命(たまひめのみこと)です。御歳神は農業を司る神様で五穀豊穣の守護神です。玉姫命はこの地を開いた神、子孫繁栄の神として祀られています。

こちらのご利益は、子宝、安産、縁結び、恋愛、夫婦円満、商売繁盛、厄除開運、病気平癒などがあります。ここまでお読みいただいて、さほど人々から注目を集めるようには思えませんね。いったい、何が話題なのでしょう。

実はここの神社は、境内のあちこちに男根をかたどった像が祀られているのです。本殿には、男性のシンボルとなる男根がご神体として祀られているのです。

神社の至る所に男根があり、少々目のやり場に困っている方々も多いようです。拝殿を大きな鈴さえも男根の形になっている徹底ぶりです。子宝を授かりたいという思いが満ち溢れています。

そして、毎年3月15日に、『豊年祭』、別名『扁之古(へのこ)祭』とも呼ばれています。春に行うことで、新しい生命の誕生を意味します。その祭りでは、直径60cm、長さ2mの『大男茎形(おおおわせがた)』と呼ばれる男根をかたどった神輿を、男性陣が担いて練り歩きます。

女性たちは、巫女となって一抱えもする男根を抱えて練り歩きます。それに触れると「子供授かる」と言われ、この祭事では、男根を「天」女陰を「地」と見立て、「天からの恵みにより、大地が潤い、五穀豊穣となる事と子宝に恵まれる」ことを祈願する祭事です。

その祭りの光景を見に、全国から、そして、世界中から見物客やマスコミが集まるのです。そして、土産物も男根をかたどった飴やチョコレート、フランクフルト、オブジェなどが堂々と売られます。

また、若い人たちに人気の御朱印を参拝の証としていただくことができますが、御朱印帳が人気なのです。表紙が田縣神社オリジナルのもので、やはり堂々とご神体が描かれているのです。旅の記念に買っていく人も多いそうです。

パワースポットとしては、ちょっと異質ですが、見るからに子宝祈願へのパワーは絶大そうです。ぜひ、3月15日は、田縣神社豊年祭にお出掛けください。

【田縣神社】
場所:愛知県小牧市田県町152
最寄駅
・名鉄小牧線「田県神社前」駅徒歩5分